柔道整復師になるにはどうすればいいのか 2017.07.26
柔道整復師は整体師やマッサージ師とは違い、国家資格が必要な専門職です。
整骨院の先生やスポーツトレーナーとして、怪我を治したり、健康の補助をする仕事で、骨折・打撲や靭帯・骨の急性の怪我に対して、手術をせずに(つまり血を見ずに)治療を行う専門家です。
骨折したことがある方はわかると思いますが、骨折しても、手術刀でその部分を切り裂いて、中の骨を直接いじるということは整骨院ではしません。その部分をギブスなどで固定することで治していくというわけです。
今柔道整復師が増えています!
1998年頃から、「柔道整復師を増やす必要が無いので新しい施設を設立する必要はない」という考えを国が改めたため、多くの養成施設や施術所が誕生しました。
その結果、現在も柔道整復師の数は増加しており、整骨院も次々と開業しています。
柔道整復師になるにはどうすればいい?
柔道整復師になるには、国家資格を取得する必要があります。また、その資格を取得するためには学校に通う必要があります。
これから、柔道整復師になるには何をすべきかについてお話していきましょう。
柔道整復師になるには資格を国家資格を取得する
まず、高校を卒業後に厚生労働省が許可した専門の養成施設で3年間以上学ぶか、文部科学省の指定した柔道整復学科のある4年制大学または専門学校に3年通って解剖学や生理学などの基礎系科目と、柔道整復理論、外科学などの臨床系専門科目を履修します。学ぶ科目は以下のとおりです。
- 生理学:人の生命活動に必要な細胞などの役割を理解して、靭帯の基礎的な心理学を学ぶ。
- 施術理論:体の部位別の外傷の出来かたや対処の方法について学ぶ。
- 骨と筋肉:身体の部位について易しく他人に説明できるような力を身につける。
- 包帯:包帯の使い方を学ぶ。
- 病理学:炎症や腫瘍などの体の基礎知識を学ぶ。
- 公衆衛生学:健康に生活するために必要な知識を学ぶ。
- 運動処方:健康と運動のつながりについて学ぶ。
- 医療関係法規:柔道整復師法とその他の医療系の法規について学ぶ。
- 固定方法:患部を固定する方法を学ぶ。
- 骨折理論、脱臼理論、患部組織損傷各論など:部位別の外傷の起こり方や対処方法について学ぶ。
- 整形外科学:整形外科治療の基礎的な知識、代表的な治療方法を学ぶ。
- 柔道:柔道整復に必要な柔道の知識や技術をみにつける。
以上のことを学校で学び、卒業を経て年に1回行われる国家試験を受けて合格すると厚生労働大臣に認められる柔道整復師になれるという仕組みです。
試験は全11科目の筆記試験で、全国10県以上で開催されているますし、合格率はおよそ70%なので、そこまで敷居は高くないといえるでしょう。
資格を取得したら自分で施術所を開くことが出来るのですが、まずはどこかの接骨院や整骨院で臨床研修を行い、本物のスキルを身に着けてから開業するのが一般的ですね。
社会人が働きながら柔道整復師になるには
柔道整復師は患者の体に直接触れるので、高度な知識と豊富な臨床経験が必要となってきます。
そのために学校に通い、かつ国家試験を突破しないとなることができません。
しかし、社会人がこれになるには厳しい職業なのかと言われると決してそういうわけではありません。
専門学校の中には夜間部を設置している学校があるので、働きながらだったら、夜間の専門学校で学びを深めることができます。
一般的な専門学校の授業時間はおよそ10:00から16:00なのですが、夜間だったら授業時間は18:00以降になるので、十分仕事と両立することができます。
夜間だからカリキュラムがしっかりしていないのではないかという心配をする方もいらっしゃいそうですがそんなことはなく、昼間と同じカリキュラムになっている学校もあります。
さらに、盛ん部のある学校の中には、昼間に接骨院や病院などで働けるように勤務先を紹介してくれるところもあります。
勉強しながら同時に実習もできているということになるので、知識が身につくのが早くなるのは間違いないでしょう。
柔道整復師はさまざまな分野で活躍できる
柔道整復師になると、接骨関係やスポーツトレーナー以外にも、介護業界において機能訓練指導員や将来的にケアマネージャーになることもできます。
機能訓練指導員は病院や介護施設などで、機能訓練やリハビリを専門的に行う職業で、ケアマネージャーはどう介護を進めていくかという計画を立てる人のことです。
柔道整復師の仕事は、介護業界でも重宝されるのです。
給料の高く、キャリアアップの容易な介護職になるには、柔道整復師の資格を持つことも1つの道になるということですね。
また、柔道整復師はその知識と技術のお陰でさまざまな有効的なボランティア活動を行っています。
地域に密着した各種スポーツ大会の救護活動や、地域に住む人々のために健康の啓蒙活動を行ったり、防災訓練活動や東日本大震災の被災地でのボランティアも行っています。
自分の学んだ知識が他人の役人立っていることを実感するときこそ、知識を学んだかいがあったことを実感するときなんかもしれません。