柔道整復師はマッサージをしていいの?あん摩指圧師との違いも解説! 2017.07.14
柔道整復師とあん摩マッサージ指圧師ってなにが違うのでしょうか。
今回は柔整師とあん摩指圧師はそれぞれどういった仕事をしているのかということと、柔整師はマッサージをしてもいいのかという問題について解説していきます。
柔道整復師とあん摩マッサージ指圧師の違いって?
柔道整復師とあん摩指圧師はどちらも国家資格を取得が必要な専門職ですが、それぞれまったく業務は異なります。
まずはそれぞれどういったことをしているのか説明していきます。
柔道整復師とは?
柔道整復師は、捻挫や打撲、骨折などの急性外傷への治療をする仕事です。
骨折や脱臼などは医師の同意がなければならないものの、基本的な診断や治療は柔道整復師が判断することができます。
レントゲンや各種機器を利用することなく自身の手とテーピングや湿布などで診断、施術を行います。
主に整骨院などで働くことができ、他に病院の整形外科やスポーツジム、介護業界の機能訓練指導員などになることができます。
また、柔整師の施術は健康保険を適用させることができますが、最近になり健康保険適用の規制が厳しくなったことから、柔道整復師が健康保険を適用できない場合が出てきています。
あん摩指圧師とは?
あん摩指圧師は揉む・押す・叩くなどの手技によって血流や体の凝りを和らげ、体の不調を整える仕事です。
マッサージ師というとこのあん摩指圧師のことを指すので、マッサージのプロと言えるでしょう。
主に治療医院などで働くことが多く、柔道整復師といっしょに整骨院で働くこともあります。
最近になり美容やリラクゼーション分野が非常に活発になっていますが、特定の資格を持っていなくても開業できてしまうという問題が出てきています。
そういった状況で国家資格という確実な資格を持っているあん摩指圧師は非常に重宝されています。
取得している資格が違う
柔道整復師の資格、あん摩指圧師の資格どちらも文部科学省が認定する4年制の大学を卒業するか、厚生労働省が認定する専門学校に3年在籍し、卒業する必要があることは同じです・
しかし、柔整師になるためには柔道整復師の資格を、あん摩指圧師になるためにはあん摩指圧師の資格をと、柔道整復師とあん摩指圧師では取得している資格が異なります。
あん摩指圧師養成学校の中には鍼灸師の資格を同時に取得することができるところもあり、鍼灸マッサージ院なども増えてきています。
柔道整復師はマッサージをしてはいけない?
よく治療家業界で問題になるのが、柔整師は手技による施術をしてはいけないのかどうかというものです。
マッサージをしていいのか?
柔道整復師がマッサージ(手技)をできるかどうかという問題はよく議論になります。
あん摩指圧師の立場からするとマッサージと呼べるものを行えるのはあん摩指圧師だけが行えるという考えがあります。
しかし、現在整骨院やリラクゼーション、エステ店でマッサージは幅広く行われているため、あん摩指圧師だけのものとすることは難しくなっているというのが実状です。
手技中心の施術というわけでなくても、治療の一環手技での施術をするという整骨院は多いので、どこまでが許容範囲なのかということが問題となっています。
柔道整復師には手技療法というものがある
問題になる柔道整復師によるマッサージについて、柔整師側がマッサージをする権利はあります。
柔道整復師の資格を取得するための教科書には手技療法といって手技について書かれており、資格を取得するために柔整師は手技を必然的に学ぶことになっています。
あん摩指圧師などに比べたらその割合は少ないですが、たしかに柔整師とあん摩指圧師において学ぶ領域が重なることがわかります。
また、柔整師は治療に関係のあるマッサージを禁止されているわけではなく、業務内容に合った施術をする場合は問題ないことになっています。
整骨院でマッサージを中心とした施術はしてはいけない
以上のようなことから少なくとも治療の一環で柔道整復師はマッサージ(手技)をしてもよいということがわかります。
しかし、これはあくまで治療の一環であり、手技中心の施術をする場合は違法ということになります。
また、整骨院では肩こり腰痛などの慢性的な症状に関しては治療ができないことになっているので、そうした治療に手技を行うことも禁止されています。
マッサージを伴った施術を行うのでしたら、新たにあん摩指圧師の資格を取得する必要があります
柔道整復師はあん摩指圧師を取っておくことが確実
柔道整復師とマッサージの問題は非常にデリケートな問題です。
法律的にはマッサージ行為をすることができるのはあん摩指圧師のみということになっています。
しかし、柔道整復師にも手技という治療方法があるため、一概にも禁止とは言い切れません。
どういった施術が禁止であるべきなのかという基準も決まっていないため、今後もこの問題は継続していくでしょう。