柔道整復師のメリットは?他の国家資格と比較してみた! 2017.09.27
柔道整復師は、柔整術を利用して患者の怪我を治療する仕事です。
柔道整復師になるためには国家資格が必要で、資格取得のためには専門学校に3年、もしくは認可された大学に4年通う必要があります。
よく似た職業に理学療法士や、同じあん摩マッサージ指圧師や鍼灸師と較べてどんなメリットがあるんでしょうか。
柔道整復師の資格を取得するメリット
柔道整復師の資格を取得することで、どんなメリットがあるのでしょうか。
よく似た職業などと比較しながら見ていきましょう。
理学療法士と違って自分で診断ができる
柔道整復師には開業権というものがあるので、整骨院を開業することができます。
条件は指定されますが、自分の判断で患者の診断をし、治療を行うことができます。
理学療法士はこの開業権を持っておらず、自分で患者の診断をすることも許されていません。
これは理学療法士が病院で医師の判断の下で働く仕事であるからです。
理学療法士は怪我を医療の視点から治療する仕事ですが、あくまでそれは病院内で行うもので、医師のサポートの枠から外れることはありません。
柔道整復師は外傷の治療が専門
柔道整復師と他の治療家、あん摩マッサージ指圧師や鍼灸師にはどのような違いがあるのでしょうか。
あん摩マッサージ指圧師など治療家にも開業権はあるので、主な違いは専門分野です。
柔道整復師は外傷の治療を専門としていますが、あん摩マッサージ指圧師や鍼灸師は、手技、鍼や灸を用いて身体の不調を改善します。
最近は鍼や灸の効果が幅広く認められており、不妊治療や美容の現場でも採用されるようになりました。
しかし、柔道整復師はあくまで身体の外傷を治すこと、痛みを和らげることが仕事となっています。
保険の取扱いが比較的楽
柔道整復師は鍼灸師などと違って保険治療を自己の判断で申請することができます。
保険治療が自分でできるので、整骨院で安く怪我の治療ができます。
高齢者などは特に怪我をした時は整骨院に行くという人が多いです。
保険適用は打撲、捻挫などの治療と、骨折や脱臼の応急処置のみとなっていますが、他の治療家や理学療法士などにはないメリットと言えるでしょう。
幅広い活躍ができる
整体師は柔道整復師と違い民間資格しかない職業です。
その分転職がしやすく未経験から整体師になる人も多いです。
しかし、整体師は国家資格がない分、活躍の場が限られます。
カイロプラクティックや美容、スポーツなどジャンルこそ豊富ですが、あくまで整体、リラクゼーション関係の仕事に限られがちです。
柔道整復師は機能訓練指導員として働くことができますし、整骨院でリハビリ業務を行うことができます。
整体師から柔道整復師になることは難しいですが、柔道整復師が整体師として働くことはできます。
全般的に見て、柔道整復師は整体師よりも幅広い活躍ができ、業務内容も専門的になります。
柔道整復師のデメリットは?
メリットがあればデメリットがあるのは当然です。
どのようなデメリットがあるのか見ていきましょう。
年収は国家資格の中でも低め
柔道整復師は国家資格の中でも平均年収が低いです。
地域によってですが、初任給は18万円~の場合もありますし、給与額の伸び率も低い傾向があります。
東京で仕事を探せばもう少し給料は高くなりますが、決して企業務めのサラリーマンとと変わらない、もしくは劣るのが現状です。
ただ、院長候補として管理柔道整復師として働くか、もしくは独立開業をすることで年収は上がります。
うまくいけば700万円ほども目指すことができ、自分の努力次第で年収が上がるのは確かです。
競争率が激化している
現在柔道整復師の養成学校が増加した関係で柔道整復師は以前と較べて増加しました。
その分、整骨院の数も増えて、都市圏ではコンビニの数よりも多いです。
競争を勝ち抜くためには、本当に治せる技術を身につける必要があります。
また、柔道整復師プラスαのスキル、例えばスポーツ関係に強かったり、トークスキルがたかかったりというものが必要になってきます。
独立して開業するのでしたら、経営者としての手腕も求められることになるでしょう。
保険の請求は厳しくなっている
これまで柔道整復師の中には、保険適用外の治療をなんらかの理由を付けて保険請求する人が一定数いました。
そういった人を取り締まるために、最近柔道整復師の保険請求の条件は厳しくなっています。
これまでが緩すぎたという見解もありますが、今後も厳しくなることが見込まれます。
最近の整骨院では自由診療をメインに行うところも出てきており、保険に頼らない経営が必要になってきています。
柔道整復師のメリットとデメリットを踏まえて転職をしよう
柔道整復師は以前のようにサラリーマンより稼げて、独立開業すればもっと稼げる!というものではなくなっています。
柔道整復師になろうと考えている人は、きちんとメリットとデメリットを理解してからでも遅くありませんよ。